受験勉強の意義とは? 〜 一生懸命勉強しても意味はないのか 〜

中高生向け

こんにちは、SoftyStudyです。

本サイトを訪れてくれている方の大部分の一つが、高校受験や大学受験を控えて勉強している中高生です。

そんな中高生の皆さんがよく抱く疑問として「受験勉強なんてしても意味ないのではないか」ということが挙げられます。

実際、僕のSNSにもいくつかこのような質問が来ています。

「将来数学を使うような職業につくわけでもないのに、微積分などまでどうして学ばないといけないのか」

「古文漢文なんて今後一切使わないのに、どうして勉強しないといけないのか」

こうした悩み(ある意味「愚痴」)は皆さんも一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

とはいえ、現在の受験制度がある以上、自分の望む高校や大学に入るためには決められた範囲の勉強をしなければならないのも事実です。

そこで今回は、「受験勉強は本当に意味がないのか」、「受験で勉強した内容は本当に今後役に立たないのか」、「受験を通して身に付く能力とはなんなのか」について考えたいと思います。

どうせしなければならない受験勉強。

ただただやる意味がないと思いながら苦行のように進めるよりも、少しでもメリットを理解した上で勉強するのでは、勉強そのものの進み具合も違うでしょうし、精神的にも安定するでしょう。

日々の勉強に意義が見出せずにやる気が出ない方は、ぜひ本記事で取り上げる受験勉強のメリットをモチベーションの種にしてみてください!

受験勉強はやっても意味がないのか?

受験勉強は万能ではありません。

正直に言うと、受験勉強で勉強した内容のほとんどは生活に不必要でしょう。

というか、知らなくても対してデメリットのない内容が多いように考えられます。

一方で、受験勉強を通じて身に付く技術は一生役立つものが多いです。

そこで、まずは受験勉強の内容そのものは生活していく分には必要ではないということを最初に説明し、その後で、受験勉強を通じて身につく一生物の技術について説明していきます。

受験で勉強する内容は将来役に立たないのか

内容の多くは生活に必要ではない

受験勉強では主に、現代文、古文、漢文、数学、英語、化学、物理、生物、地理、日本史、世界史、倫理、政治経済などの科目を勉強しますね。

実際、この科目の多くは、受験が終わってしまえば直接的に使うことはほとんどありません。

受験以降、古文や漢文を読むことはほとんどないでしょう。

直接使わずとも生活できてしまうことがほとんどです。

一方で、「知っていれば役に立つ」という場面は数多くあります。

知識はあればあるほどいいというのは誰も否定しないでしょう。

また、思いもよらないところで必要になるという場面もあります。

例えば、医学の世界でも、物理や数学の理解が重要になることがしばしばあります。

神経科学では、神経の伝導を理解するのに物理の知識が必要になりますし、公衆衛生の理解のためには数学の知識が必要になります。

また、地域性のある疾患を理解するためには地理の理解が必要になりますし、どのようにして疫病と人間が関わってきたのかを理解するためには歴史の知識が必要になります。

予防医学(病気を予防するための医学)を実践していくためには、医者個人の力では不十分で、政策に訴えかけていく必要がありますから、その時には政治経済の理解が必要になります。

つまり、見方を変えれば、受験勉強で学ぶ全ての内容が役立ちます。

これは医学に限らず、他の分野(営業職であれ、事務職であれ)でも同じです。

使わずとも生活していけるけれども、活用することで数段階周りと差をつけられるのが、受験勉強で学んだ知識といえるでしょう。

そういう意味で、受験勉強で学ぶ内容の多くは「生活に必要ではない」といいう表現が適しているのではないかと思います。

知らないことで恥をかく瞬間もある

嫌な話なのですが、実際、世間には学歴を重視している人は多くいます。

そういった人は、僕たちが何か知らない時に「こんなことも知らないの?」と馬鹿にしてくることがあります。いわゆる「マウントをとってくる」というやつですね。

無視するのが賢明なのですが、とはいえそんなことを言われるといい気分にはならないでしょう。

また、基本的な教養がないことを理由に信用を失うということもあります。

特に人とのコミュニケーションを仕事とする方(営業職も含む)は、顧客の教養に見合う教養を身につけておかないと信用されない(悪い言い方をすると「見下される」)ことがあるのも事実です。

よって、どうせ学ばなければならない内容なのであれば、きちんと理解した上で将来どんどん利用してやろうと考えた方が得でしょう。

内容そのものをずっと覚えておく必要はない

さて、受験勉強の内容は「生活に必要とまでは言わないけれど役には立つ」ということは理解していただけたのではないか思います。

とはいえ、受験勉強で学んだ内容を受験が終わってからもずっと覚えておく必要はもちろんありません。

他人から話を聞いたときに、「あ、それ昔勉強したことあるな。」って思い出せたらそれで十分です。

そして、受験勉強は結構長期スパンでしっかり学ぶものなので、いくら使わなくても言われれば思い出すものです。

うろ覚えであれ、知っていると知らないとでは雲泥の差があります。

そういった意味でも、受験勉強は「生活に必要ではないが役には立つ」といえるでしょう。

受験勉強は将来役立たないのか

ここまで読んでいただいた方はお分かりかと思いますが、受験勉強は役に立てよう、利用しようと思えば役に立ちます。

一方で、その勉強内容は生活に必要ではない、ということでしたよね。

では、内容以外の面はどうでしょうか。

受験勉強を通じて身につくであろう技術については、受験が終わってからも確実に一生役立ちます。

学生時代にあまり勉強せずに、大人になってから少し後悔しているという方とお話しする機会も多いのですが、そういった方々とお話ししていると、やはり以下に上げるような項目の部分で苦労されているんだろうなと推察できることが多いです。

勉強内容そのものではないのですが、受験に対して真面目に取り組むことは確実に自分のためになります。

では、具体的に見ていきましょう。

自分で勉強する技術

受験勉強を進めていくには「自分で勉強する技術」というのが必要不可欠です。

中学校や高校には先生がいますし、多くの方は塾や予備校に通っていることでしょう。

とはいえ、そういった教育機関の先生方がいくらわかりやすい授業をしてくれたところで、それだけでは皆さんの学力は1mmも上がりません。

そういった授業も含めた勉強のリソースを利用して、学力を地道に上げていくのは皆さん自身だからです。

同じ授業を受けていても人によって成績に差が出ますよね?

それを「才能のせい」といってしまうと思考停止でしかありませんが、その差が生まれているのは「どのように勉強しているか」の部分が大きいでしょう。

結局、「いかにして自分で勉強を進めていくか」という部分が差を生んでいるわけです。

よって、自分の学力を上げるためには、「自分で勉強する技術」を試行錯誤して探していくという過程が必要になります。

この「自分で勉強する技術」を試行錯誤して探していく、そして、ある程度の形で身に着けるということが今後の人生においても非常に重要です。

というのも、どんなお仕事につくのであれ、「学び」は一生関わってくるからです。

何かを学ぶということは自力で行うしかありません。誰かに代わりにしてもらうことは絶対にできません。

だからこそ、受験勉強を通じて身に着ける「自分で勉強する技術」は一生物になるというわけです。

ちなみに、学歴の高さと年収には一定の相関があるということは知られていますが、学歴が高いことがキーポイントなのではなくて、「学歴が高い人→自分で学んでいく技術を身につけている人→現状を改善するための試行錯誤をしやすい→年収が高くなりやすい」という因果なのではないかなと思います。

もちろん、他にもさまざまな因子が関わっていることは言うまでもありませんが。

文章を読んで正確に理解する技術

皆さんは、文章を読んだときに、その文章に書いてある内容を書いてあるまま正確に読み取ることはできているでしょうか?

これができていない人が実はかなり多いです。

受験勉強をしていると、確実に「問題文を読んで問題を解く」という経験を積みますよね。

そんな中で、皆さんも一度は、「問題文の意味がわからない」とか「問題文の意味を勘違いしていて見当違いな答案を書いてしまった」という経験があるのではないでしょうか?

受験できちんと得点するためには、科目に関わらず「文章を正確に読み取る技術」が必要不可欠です。

言い換えると、真面目に受験勉強を進めていれば自ずと「文章を正確に読み取る練習」を十分に積むことができます。

逆に、ここできちんと読む練習を積んでおかないと、受験が終わってからは、自分が誤読していることにすら気づかせてくれないので、改善することが厳しくなります。

大きな勘違いをしていれば、それは人間関係に関わるような大きな問題にもつながりかねません。

よって、「文章を正しく読み取る練習」としても、受験勉強は真面目に取り組んでおいた方が良いといえるでしょう。

自分の考えを正確に表現する技術

「文章を正しく読み取る技術」と同等に重要なのが、「自分の考えを正確に表現する技術」です。

これまた、質問の文章などを送ってくださったときに多いのですが、結局何が言いたいのかわからない文章を送ってくる方が非常に多いです。

文章を読むことと同様に、受験勉強では「自分の考えを答案として正しく表現する」という経験を必ず積みます。

仮に問題を解けていたとしても、自分の考えを正確に表現できなければ、答案は満点にはならず減点されてしまいます。

そういった経験の中で自ずと、「自分の考えを正しく表現する技術」を徐々に身につけていくことになります。

このような観点から、受験勉強に真面目に取り組むことは「自分の考えを正確に表現する技術を身に着けること」につながるといえるでしょう。

「文章を正確に読む技術」「自分の考えを正しく表現する技術」の両方を踏まえると、受験勉強は「誤解のないコミュニケーションを取るための技術を身に着ける機会」と考えることができます。

コミュニケーション能力が重要だと声高々に言われていますが、そのコミュニケーション能力を改善するための身近な訓練の場としても受験勉強は利用できるということです。

騙されにくくなる

言わずもがなですが、受験勉強をしていると確実に多くの知識が身に付きます。

知識は僕たちの判断や創造の種です。

クリティカルシンキングやクリエイティビティという言葉が流行っていますが、それらを身に着けるためにも知識は大きな武器になります。

知らなければ批判的な視点は身につきませんし、知らなければ新しい発想は思いつきません。

同様に、多くの知識があれば批判的な目線で物事を見やすくなりますから、騙されにくくなるといえます。

「これを飲めば良質なコラーゲンが直接お肌に届いて、きめ細やかなプルプル肌になる」と言われたときに、すぐに信じますか?

高校で化学や生物をきちんと勉強した方なら、この文言に対して批判的になるでしょう。

「コラーゲンはタンパク質の一種だから、食べたところでアミノ酸まで分解されるはずだ。だからコラーゲンが直接肌に届くはずがない」と思うわけです。

一方で、真面目に勉強してこなかった方はどうでしょうか?

知識がありませんから、悪い言い方をすれば「カモ」にされてしまいます。

否定的になるのはお勧めしませんが批判的になるのは騙されないために重要です。

その批判的な目線を身に着けるためにも、せっかくの勉強の機会を無駄にせずに貪欲に知識を身につけましょう。

まとめ

結論、簡潔にまとめると

「受験勉強は受験以降の生活に必要なわけではないが、十分に利用できる」

「受験勉強を進める中で身に付くさまざまな技術は、一生役立つ技術である」

ということが言えます。

「使えるか使えないか」と考えるより、「使うか使わないか」と考える方がずっと生産的であると僕は考えます。

そして、「使える材料となるものは、機会があるのならできるだけ多く蓄えておいた方が良い」と思います。

「受験勉強をする必要がないけれども、将来的に受験勉強で勉強する内容が役に立つかもしれないから勉強する」というのであれば、オススメしません。

一方で、「何にせよ大学にはいきたいので受験勉強はしなければならない」というのであれば、その機会を無駄にせずにできる限り精一杯勉強する経験を積んだほうが良いと思います。

理由は本記事でここまで説明してきた通りです。

「どうせやるなら本気で」

受験勉強で得る経験は受験以降も十分に利用可能なので、あまり悲観的にならずに、前向きに勉強を進めていっていただけると良いなと思います!

勉強を有意義にしよう!というモチベーションを得た皆さんは、オススメの参考書や勉強計画の立て方などの記事も参考にしてみてください!

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