みなさんが「勉強をしよう」と思うときは必ずその勉強によって成し遂げたい何らかの「目標・目的」がありますよね。
「志望校に合格したい」「資格試験に合格して資格をゲットしたい」などなど。
一方で、「よし、勉強しよう」と意気込んで参考書を揃えても、いざ勉強を進めると途中で倒れてしまい、結局目標達成には至らないというのがほとんどではないでしょうか。
これは「きちんと計画を立てていないから」です。
目標達成のために必要な要素は2つです。
「きちんと計画を立てること」
「立てた計画を遂行すること」
そこで本記事では、目標達成に必要な上記の要素の1つである「きちんと計画を立てる」の方法を解説します。
まずは、本記事で解説している計画の立て方「マクロミクロプランニング」できっちりと目標までの計画を立ててみてください。
これが目標達成の必要条件です!
目標達成のための「マクロミクロプランニング」
「マクロミクロプランニング」とは、「大枠から徐々に細部の計画を詰めていく」という計画法です。
「マクロ」は「巨視的」、「ミクロ」は「微視的」という意味ですから、そのままですね。
とにかく重要なのは「計画を立てるときは大きな目線でまずは計画を立てて、その後で細かい部分を詰めていく」ということです。
この「マクロ→ミクロ」の順に計画を立てていくという大前提を常に意識して、目標達成のための計画の立て方を学んでいきましょう!
ステップ1. 現時点のレベルと目標のレベルを確認しよう
まずは、一番マクロな目線で計画を立てます。
目標達成のための一番の大きな部分は「現時点→目標達成」の一直線ですね。
そこでまずは、「現時点のレベル」と「目標達成に必要なレベル」の2つを確認しましょう。
この2つについてはできるだけ具体的に考えてください。
例えば「今の偏差値は50で、志望校の偏差値は70」とか「問題集を解いた正答率は50%で資格試験本番の合格最低点は70点」のような大まかな分析では不十分です。
「現時点の偏差値が50で目標が70」なら「どの科目が特に足りていないのか」「各科目目標点数に達するためには何が足りていないのか(インプット?それとも問題演習量?)」などなど、細かく考えていってください。
資格試験の場合も同じです。得点を高めるために、知識が足りていないのか(インプット)、それとも問題を解くことに慣れていないのか(アウトプット)をきちんと考えてみてください。
ステップ2. 中間目標を設定しよう
現時点のレベルと目標達成のために必要なレベルの確認を行い、そのギャップをきちんと分析し終えたら、次は「中間目標」を設定しましょう。
「中間目標」というのは目標とのギャップを埋めていくためのステップのことです。
具体例で考えてみましょう。
志望校合格と現時点のレベルのギャップの一つとして「生物の点数が足りない」ということがわかったとします。
そして、その生物の点数が足りない理由として、「知識が足りない=インプットが足りない」という分析を行なったとしましょう。
この時点で、まず一つ目の中間目標は「知識を盤石なものにする」ということになりますね。
ここから、次のステップ3である「必要な参考書を設定」に入っていくという感じです。
インプットのための参考書はこれで、基礎問題集はこれで...というように決めていくのです。
また、数値的な中間目標も設定しておくと良いですね。
例えば、「夏の模試ではxxxという分野に関しては得点率9割にする」という感じです。
「夏の模試では偏差値xxxを目標にする」というのもありですが、偏差値はその時の問題のセットや母集団によって左右されるので、このような目標だけでなく、先述の「xxxという分野の得点率」というように絶対的な評価目標も設定しておくことをオススメします。
資格試験の例でも簡単に考えておきましょう。
例えばFP2級を受験しようと考えているとしましょう。
目標と現時点のレベルのギャップとして、「そもそもFPのことをあまりわかっていない、お金のことをわかっていない」とします。
そうすると、中間目標としては「FP3級の参考書を一冊読了する」「FP2級の参考書を読了する」「過去問集をひとまず1周する」などが挙げられますね。
このように中間目標を設定したら、「FP3級の参考書はxxxを使おう」とか、「過去問集はxxxを使おう」というようにステップ3に移っていく、という感じです。
ステップ3. 必要な学習事項・参考書を設定しよう
ステップ2で中間目標を設定したら、各中間目標を達成するために必要な学習事項・参考書を設定していきましょう。
ここで重要なのは「学習事項・参考書を過度に設定しないこと」です。
計画倒れを引き起こす原因の一つは「あれもこれもやろうとして計画→結果手に追えずに終わる」ということです。
この「あれもこれも」を防ぐためにあらかじめ中間目標を設定しているわけなのですが、とはいえ油断すると各中間目標に対して「あれもこれも」と学習事項を設定してしまいがちです。
よって、「あれもこれも」と欲張りにならないように意識しながら学習事項・参考書を設定しましょう。
原則、各中間目標に対して「参考書・問題集は1冊」です。
もしも参考書や問題集が2冊以上になりそうなときは、そもそもその中間目標は1つのものなのか考え直してください(ステップ2に戻るということです)
参考書や問題集の決め方に関しては、もちろん手にとって読みやすさなどから直感的に決めるのも良いですが、基本的にはネットや既にその目標を達成している人のオススメするものを選ぶことをオススメします。
というのも、ネットで有名な参考書や既に達成した方のオススメする参考書というのは「少なくとも合格のために必要な情報が詰まっている」ということがある程度担保されたものであると考えられるからです。
自分はまだ未達成で未踏の領域ですから、先を見通して参考書選びをすることはできません。
一方で、既に達成した方は、達成したという状態から振り返って「あの参考書は役立った」「あれは正直いらなかったな」などと評価することができます。
その「ゴールから振り返った目線」での批評で参考書を選ぶのが吉ですから、既に達成した方のオススメを聞くのが無難でしょう。
受験用の参考書については本サイトでもいくつかオススメのものを掲載していますから、中高生の方はぜひ参考にしてみてください!
ステップ4. 各参考書を修了する期日を決めよう
ステップ3で学習事項・参考書を決めたら計画をさらにミクロに詰めていきましょう。
まずは、各参考書を大体いつ頃に修了するかという「期日」を設定してください。
これは「理想」で設定するといけません。
「最悪この時期には終わっておいてくれないと困るよ」という観点で期日を設定しましょう。
大体の期日を設定したら次のステップ5に進み、本当に無理のない計画かどうかを見極めます。
このステップ4とステップ5はほぼ同時進行で行ったり来たりしながら微調整していってください。
ステップ5. 期日→月→週→日の順でマクロミクロプランニングしよう
ステップ4で各参考書の期日を大体設定したら、その期日までにその参考書を終えるためには月にどれくらい進めなければいけないか計算しましょう。
基準は、参考書であればページ数や項目数、問題集であれば問題数が良いでしょう。
計算方法は簡単です。
例えば期日まで今から「3ヶ月」あるとしましょう。
そして、その期日までに終わらせたい参考書のページ数が「300ページ」だったとします。
そうすると、月あたりのノルマは
300÷3=100(ページ/月)
ということになりますね。
綺麗に割り切れないことも多いかと思いますが、その場合は繰り上げるようにしましょう。
(例えば20.2ページとなったら月あたりの目標は21ページとする、という感じです)
次に、その月あたりのノルマを達成するために必要な週あたりのノルマを計算します。
ひと月大体4週間ですから4で割りましょう。
先程の例を続けて使用すると、月あたりのノルマが100ページ/月だったので週あたりのノルマは
100÷4=25(ページ/週)
となりますね。
最後に、この週あたりのノルマを達成するために必要な1日あたりのノルマを計算しましょう。
このとき、1週間=5日として計算しましょう(土日は休みという感じです)
理由は後述する「余裕」を設けるためです。
先程の例を続けて使用すると。月あたりのノルマは25ページ/週でしたから、日あたりのノルマは
25÷5=5(ページ/日)
ということになりますね。
週、日のノルマの計算の時も、割り切れない場合は繰上げして設定するようにしましょう
(例:5.3ページ/日→6ページ/日)
このように、1日あたりのノルマを算出して、明らかにそれが1日でやりきれないような量の場合は、ステップ4に戻って期日を見直しましょう。
このようにマクロ→ミクロの目線で1日あたりのノルマまで算出するとそもそもの計画が無謀なものの場合、ただちに計画を見直すことができます。
また、マクロ→ミクロで立てた計画が無理のないものであれば、あとはその計画に忠実に沿って毎日学習を進めていけば、少なくとも参考書の読了や問題集の完了は確実に終了します。
なぜなら、この計画はマクロ→ミクロ、つまり「最終目標を大前提としてそこから逆算した計画だから」です!
私たちがやる気を失う理由の一つは「途方のなさ」です。
「この努力がいつ終わるのか」、「やり続けていたらきちんと終えることができるのか」という不安を抱くと、「終わるかわからないからやめてしまおう」というような諦めに達してしまいます。
この「途方のなさ」という不安を、マクロミクロプランニングは解決しているというわけです。
計画通り毎日過ごせば確実に終わりますからね。何の心配もありません。
あとは、「計画通り忠実に毎日学習を進められるかどうか」にかかっているだけです!
計画をきちんと遂行する方法を知りたい方にオススメの本を参考までに上げておきますね!
(注意) 計画を立てるときは必ず「余裕」を設けよう
ここまで、マクロミクロプランニングについて説明し、計画が完成したらあとはそれに沿って学習を進めていくだけということを理解していただけたと思います。
とはいえ、私たちはどうせ弱いです。
ここは認めましょう。
どうせどこかの1日は「今日は部活で疲れたから勉強が捗らない」とか「今日は仕事でストレスが溜まったから勉強する気にならない」とか、何かしらの理由をつけて勉強から逃げようとします。
よって、そのような「サボり」は最初から起こるものとして計画に組み込んでおきましょう。
それが「余裕」です。
期日を決めるときに「理想ではなく最悪ここまでに終わっておかないと困る」というような観点で期日を決めてくださいと言ったのも、1日あたりのノルマを計算するときに「1週間=5日で計算しましょう」と言ったのもこの「余裕」を設けるためです。
計画の不思議な現象の一つとして、「計画が後ろにずれる(遅れる)と一気に計画は崩壊するが、計画より早めに進むと俄然やる気になる」という現象があります。
つまり、計画より早めに進むというのは何の問題もないのです。むしろメリットしかありません。
よって、計画には「余裕」を設けてゆったり作りましょう。
そして「余裕」は「遅れた場合の調整時間」として利用しましょう。
例えば土日。これはその週の平日に終えることのできなかったノルマを終わらせるための2日間です。
平日5日に対して調整時間が2日(平日の約半分!)もあるわけですから、少々遅れたくらいなら全然調整できるでしょう。
この2日で遅れを帳消しにできないなら、そもそもその計画は無謀ということになるので計画の見直しに入ってください。
また、期日よりも早く終わったら、そのまま次の学習事項に早めに進めば良いだけのことです。
どうせ試験の直前などになればいくら学習をきちんと進めた方でも不安を感じてソワソワするものです。
そのソワソワを解決してくれるのは問題演習ですが、学習が早めに終わっておればより多くの問題演習を直前に行うことができますから、メリットしかありません。
もちろん、計画通りに進んだとしても、必要事項の学習はきちんと行えているわけですから問題はありません。
つまり、必要な分の学習をするか、オーバーワークするかの2択で本番に挑むということになりますから、目標達成確率がかなり高くなるというわけです。
以上のように、計画を立てるときは必ず「余裕」を設けるようにしましょう。
ステップの解説通りに計画を立てていただければ自動的に「余裕」は入るように書いてありますので、「いや、ここはもっと詰め込むぞ」というような無理はせず、ステップの解説通りに計画を立ててください。
マクロミクロプランニングで計画を立てれたら、あとはもう目標達成は時間の問題です!
計画を遂行する自信がなければペースメーカーとして個別指導を利用しよう
計画を立ててもその計画を遂行する自信がない方は、そのペースを他人に管理してもらうということをオススメします。
その「他人」というのは、親でも友達でも良いのですが、親や友達だときちんと管理してもらえない可能性があります。
そこで一番強制力が強いと考えられるのは「先生」です。
しかも、「それ用の先生」というのを用意するのが確実でしょう。
ということで、計画のペースメーカーとして「個別指導の先生を利用する」というのが一つの方法だと思います。
今はオンライン家庭教師のサービスやオンライン個別指導塾などが豊富にありますから、必ずしも通う必要はありません。
毎週1時間程度、その週の学習の進捗をきちんと先生に報告し、その週の学習でよくわからなかったところを質問するようにしましょう。
質問行為自体が復習になりますし、先生と話をして理解するというプロセスでより鮮明に学習事項を定着させることができます。
先生との会話の中で自分が勘違いして理解していた部分などを発見することもあるでしょう(筆者はオンライン家庭教師として何人もの方を指導していますが、勘違いに気付く方は結構多いです)
ここで重要なのは個別指導型の場合「先生との相性」がめちゃくちゃ大事です。
よって、もし個別指導塾やオンラインを含む家庭教師を利用しようと思っている方は、必ずあらかじめ体験授業を受けるようにしてください。
体験授業を無料で提供している塾や家庭教師サービスも多いので、積極的に利用すると良いと思います。
個別指導や家庭教師について解説したこちらの記事もぜひ参考にしてみてください!
立てた計画をより実りあるものにするためにオススメの本
勉強法に関するオススメの本をまとめた記事もあるので参考までに!
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