乳幼児にはちみつは危険!! 誤解も多いので注意!

皆さんも小さいお子さんにハチミツを与えてはならないと言う話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
でも、ハチミツって自然素材でとっても体に良いものの1つですよね?
例えばコーヒーや紅茶に、お砂糖がわりにハチミツを入れてるなんていったらとても豪華で体を労っている感じがします。
そんな、素敵なハチミツを、なぜ小さい子どもに与えてはならないのでしょうか?
仮に既にハチミツをお子さんに与えないように気をつけていたとしても、その理由を知っているのと知らないのでは大きな差があるはずです。
なので今回は、何故ハチミツをお子さんに与えてはならないのかと、誤った対策方法についてシェアしていきたいと思います。
この誤った対策方法、ネット上のレシピサイトなどで散見されますので注意していただきたいです。

ハチミツを乳幼児に与えてはならない理由

早速ですが、ハチミツをお子さんに与えてはならない理由について説明します。
それは、ハチミツ内でボツリヌス菌という菌が繁殖し、ボツリヌス毒素という強力な毒素を産生するからです。

まず、ボツリヌス菌についてですが、これは偏性嫌気性菌です。
と言ってもそれが何なのかわからないですよね。
簡単に言うと、酸素のない空間でのみ生きることのできる菌ということです。

ハチミツは粘性が高く、瓶に入っていることが多いので、ハチミツ内は酸素濃度が低くなっていて、ボツリヌス菌たちにとってはとても生きやすい環境になっているんです!

さらに、ボツリヌス菌の重要な性質として、芽胞を形成すると言う性質があります。
この、芽胞というのは、細菌たちにとってのシェルターのようなものです。
高温になる、低温になるなど、細菌たちの生育にとって環境が悪い状態になると、この芽胞を作ることで仮死状態になり命を守ります。
環境がまた元に戻れば芽胞から出芽して分裂を再開する、というわけです。

芽胞はすべての細菌が作れるわけではありませんが、ボツリヌス菌はこれを作ることができます。
これが何を意味するかわかりますか?
つまり、ハチミツを加熱したところで、ボツリヌス菌は芽胞を作って生き続けることができるので、加熱殺菌することができないのです。

さて、ボツリヌス菌についてある程度分かったところで、次に彼らが作り出すボツリヌス毒素について少し説明します。

ボツリヌス毒素は神経毒(神経系に作用する毒素)の1つで、実は地球上で最も強力な毒素と言われています。
ボツリヌス毒素の作用機序は風変わりで面白いのですが、これは少し専門的なので、ここでは割愛しますね。

さて、このボツリヌス毒素ですが、摂取すると弛緩性麻痺というのが起こります。
つまり筋肉が収縮せず伸びた状態になるのです。

ところで、美容整形の分野でボトックス注射というのを聞いたことはありませんか?
あれはかなり薄めたボツリヌス毒素を注射することで、その部位の筋肉が伸び、その結果シワが伸びるという理屈で使われているんですよ!

さて、話を戻しまして、ボツリヌス毒素にはそのような弛緩性麻痺を起こす効果があるので、摂取してしまうと、脱力感、めまい、視覚障害、発生困難などが起こり、呼吸困難が起こると死に至ります(食餌性ボツリヌス症といいます)。
なお、乳児がボツリヌス毒素を摂取した際の症状は、吸乳力低下、全身筋肉弛緩、泣き声弱化、対光反射緩慢化などが起こり、こちらも呼吸困難となると死に至ります(乳児性ボツリヌス症)。
このように、ハチミツはボツリヌス菌が生育しやすい環境であり、これを乳児が摂取すると乳児性ボツリヌス症となり、ボツリヌス毒素により命を奪われる可能性があるのです。
だから、乳幼児にはハチミツを与えてはならないんですね。

誤った対策方法

さて、お料理のレシピサイトなどを見ていると例えばお子さんのおやつとしてのお菓子作りのレシピなどでハチミツが材料に含まれていることがあります。
大丈夫なのか?と思って読んでみると、「ハチミツはお子さんがお腹を下すことがあるのでしっかりと加熱しましょう」などと書いてあります…

しかし、ここまでで、何故ハチミツが怖いのかを学んだ皆さんならこれが意味のない対策であることは分かりますよね?
ハチミツ内にボツリヌス菌がいたとすると、加熱したところで芽胞を形成して殺菌することができません
芽胞状態で生き延びたボツリヌス菌たちはお子さんの腸管内で発芽し、そこでボツリヌス毒素を産生します。
結果、乳児性ボツリヌス症を発症することになります。

正しい知識さえあれば、これが間違った対策だと考えることができますが、なぜハチミツを乳幼児に与えてはいけないのかという理屈を知らないと考えることができませんね。


やっぱり「なんで?」と思うことは大切なんですね。

 

まとめ

いかがでしたか?

まさか地球最強の毒を生成する細菌がこんなに身近にいるなんてあまり思っていなかったのではないでしょうか。

また、世の中には、このような危険な菌に対してさえ誤った対策が堂々書かれているのも事実です。

やっぱり、正しい知識を身に着けて、考える力を身に着けることが大切ですね。

この記事が少しでも皆さんの役に立つことを祈っています!

 

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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では。。。

 

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