[英語] 構文が複雑な時の対処法

僕は個別指導塾で講師をしています。
科目は英語・数学・国語・化学とほとんどなのですが、今は英語を担当している生徒さんが多いです。

いつも授業の前後で疑問・質問がないか尋ねるのですが、そこで数人が共通する質問や相談をしてくることが多々あります。

きっとみんな同じようなことで悩んでいるのでしょう。

そこで、生徒さんたちからよく聞かれる質問をここでシェアし、それに対する返答を書いていこうと思います。

中には皆さんも感じている不安点などがあるかもしれませんから、是非参考にしてみてください。

なお、本記事での返答はあくまで受験など、問題が出題されてそれに対して回答し得点するという観点での返答です。英語が話せるようになりたいとか、英語で本をたくさん読みたいという目的に対しては少し外れる部分もあるかもしれませんのでご了承ください。

英文和訳で複雑になると全く意味が分からなくなります

下線部和訳の問題で下線を引かれる部分って大抵少し構文が複雑なところですよね。
それでどう対処していいか分からず、雰囲気で適当に書いてしまう。
もしくは飛ばしてしまう。
そういう生徒さんが多いです。

これは英語に限った話ではないですが、詰まったときにどう対処するかという手はいくつかあらかじめ用意しておいた方がいいです。
例えば、数学の図形問題で全然解法が思いつかない時に、「とりあえずベクトル・座標導入は試す」というような感じです(数学の問題で詰まった時の対処はこちらの記事も参考にしてみてください!)

さて、本題に戻って、この質問に対する返答ですが、英文和訳で構文が取れない時はとりあえず以下のようにして読み解いていきます。

  1. 主文の主語と述語を押さえます
    普通に考えると主語を見つけてからそれに対する述語(動詞)を見つけるのが自然です。
    しかし、今回のように複雑で構文がわからないというときにはまず動詞を見つけて、次にそれに対する主語を探すのをお勧めします。
    というのも、動詞の方が見つけやすいからです。
    主語になりうるものは名詞です。
    しかし、構文がややこしくなったとき(修飾が多いとき)は頭から連続で名詞がバンバン登場することがほとんどです。
    それらからいきなり主語になるものを見つけるというのはなかなか難しいですよね。
    一方で、動詞というのは原則、一文に一つしかありません。
    (もちろん、修飾節などの中にも動詞は現れるので一文に動詞一つというのは厳密な表現ではありません。しかし、そのような節というものはもともと別の文であり、それが他の文にひっついてきた形で、もともとは別の文ですよね。そう捉えると一文に動詞は一つです)
    動詞が見つかれば、まずそれに対する主語はその動詞までに登場した名詞のいずれかです。
    前置詞の目的語である名詞や他の修飾節の中にある(と明らかにわかる)名詞は主文の主語にはなり得ませんのでそれらも排除です。
    こうして考えていくと少しは主語を見つけやすいと思います。
  2. 先ほど押さえた主語・動詞で和訳の骨格が完成します。
    「(主語)が(動詞)する」
    です。
    こうやって説明すると「当たり前じゃないか」と思いますよね。
    でも採点していると、この基本的な主語・述語の関係を保っていない答案が山のようにあります。
    「英語」という科目ですが、日本語で答える以上、国語も正しく使用して答えねばなりません。
    主語・述語の関係すらきちんと訳出できていなければ、その時点で0点です。
    逆に、まずは主語・述語を押さえておくことで、大外れの訳を書くことがなくなります。
    ここはきちんと意識しましょう。
  3. 骨格が出来上がったので、あとは修飾を付けていくだけです。
  4. 関係詞節などの節を解析する時も基本的にはここまでの目の動かし方と同じです。
    というのも1で述べたように、節は元々別の文だったものだからです。
    ややこしければまずは動詞を見つけてそれに対する主語を考える(主格用法なら主語は修飾先ですね)。

以上のように、ややこしい文では初めから理解しようとするのではなく、まずは主語・述語(何がどうだ)を押さえましょう
それがわかったらその形を崩さずに、修飾を解釈していきます。
ここで分からない単語等があればそこだけ適当に訳せばいいのです。
そうすれば採点者も
「ああ、この子はこの単語が分からなかっただけで構文や他の部分はわかっているんだな」
というように理解しやすくなります。

実際、白紙で答案を提出してきた生徒に対して、上記のような順番で聞いていくと、自力である程度答えられるんですよね。

0点と部分点では雲泥の差があります。
しかも考える順序さえ頭の中で整理されていれば得点できるわけです。

いつも複雑な文が出たときに手が止まってしまうという方はぜひ試してみてください。

参考書紹介

英語は僕たちにとって外国語ですし、受験生は短い期間でややこしい文章を訳せるようにならないといけないわけですから、詰まったら理詰めでかかるしかありません。
理詰めでかかるときに我々の武器となるのが「文法」です。

複雑な文を理詰めで訳す練習に最適なのが「英文読解の透視図」です。

この本は先ほど僕が話したように、幹から枝へと一つ一つ英文を紐解いていく練習ができる本ですので、ぜひ使ってみてください!

 

まとめ

英語学習で、日本語訳はするべきではないとか、文法主義は実用的ではないとか、色々と入試問題等での英語学習は非難されがちです。
それに対してどうこうというつもりはありませんが、受験生はあくまでも入試問題を解くというルールのもとで競争しなければなりません。
なので、不本意かもしれませんが、そのルールのもとで最大限の得点が取れるように戦略を練っておく必要がありますね。
その戦略の一つとして、理詰めで英文を解読していくという方法も身につけておくと良いと思います。

頑張ってください!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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では。。。

 

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