どんどんと日が長くなり、気温も上がってきました。
さすがに4月の今ではまだ、海で遊ぶなどは遠い話ですが、夏になったら、海で遊んだり、バーベキューを楽しんだりする方も多いのではないでしょうか。
さて、暑い日に長い間外にいると、日焼けしますよね。
最初は皮膚が真っ赤になります。
次の日になると水疱ができていて、それを破った端から皮がめくれていく…
そんな経験、皆さん一度はあるのではないでしょうか?
さて、あの水疱、なんでできるんでしょうか?
今回はこのことについて説明します。
高校生や受験生で生物選択の方がいたら、先を読む前にぜひ考察してみてください。
紫外線の影響
日焼けの原因は紫外線であるというのは周知のことだと思います。
では具体的に、紫外線はどのような作用を及ぼすのかご存じですか?
紫外線が各細胞に到達すると、細胞内にあるDNAに作用し、これを傷害します。
DNAに大きな損傷が入ると、これを修復することが困難になります。
しかし、損傷の入ったままの細胞を残しておくわけにはいきません。
DNAが損傷しているということは遺伝子に何らかの欠損が生じている可能性があり、場合によってはがん化してしまいます。
そこで、そのような細胞はネクローシスという現象を起こします。
簡単に言うと死ぬということです。
紫外線が血管内皮細胞に到達
さて、話は血管の構造に移ります。
血管と聞くと、水道管のようなパイプをイメージすると思います。
もちろんそのイメージ自体は決して間違っていません。
しかし、血管とパイプの決定的な違いは、
血管は多数の細胞が集まってできた管である
という点です。
そして、血管を形成する主な細胞を血管内皮細胞といいます。
この血管内皮細胞に紫外線が到達するとどうなるでしょうか。
先述の通り、紫外線は細胞内のDNAを傷害し、細胞は死ぬことになります。
これはもちろん血管内皮細胞にも当てはまることなので、紫外線の影響を受けた血管内皮細胞の一部は死んでしまいます。
では、血管内皮細胞が死んでしまうと何が起こるでしょうか。
要はパイプの一部が欠損するということですから中身の液体が漏れ出てきてしまいますよね。
それがあの水疱の中の液体です!
細胞レベルでの穴なのでそこまで大きな穴ではありません。
なので赤血球等の血液成分までは出てこず、組織液のみが染み出ている感じですね。
水疱ができるメカニズムは簡単に言うとこのようなものなのです。
まとめ
いかがでしたか。
日常の中で体験していることでも、理屈がわかっていないことって結構あるんですよね。
理屈がわかれば物事のとらえ方がまた変わってくるのではないでしょうか。
例えば今回の話でも、単に「日焼けは肌によくない」とか「日焼けは皮膚がんになるかも」と漠然と知っていたかもしれませんが、紫外線の作用を正しく知った後ではまた感じ方が変わりませんか?
より一層気をつけようと思うはずです。
日焼けで水疱を見たら「ヤバっ、血管内皮のDNA破壊されてる!」ってこれからは思いましょう。
そして、日焼け対策をきちんとやるようにしましょう。
今回は短い記事でしたが、最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
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では。。
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