本記事では、IELTS Listening対策の有名参考書である「Collins English for Ielts - Ielts Listening」を実際に使って勉強してみてのレビューを紹介します!
トップ画像にしているのは筆者が実際に使った「Collins English for Ielts - Ielts Listening」なのですが、古い版なので表紙が違います。
僕の使った版では中身は白黒なのですが、新しい版はフルカラーのようですね。
なお、僕は本屋さんでこの本を買ったのですが、外国の書籍のためか本屋さんには僕の使った旧版しか置いてありませんでした(amazonで買えばよかったと後悔中です...。ちなみに値段も3300円だったのでamazonの方が安かったですね。。。)
Collins English for IELTS - IELTS Listening
この参考書の構成
この参考書は全部で12個のUNITで構成されており、最後のUNIT12は実戦問題のような1セットの問題です。
他の11個のUNITはHolidaysやYouthなどのトピックで別れています。
また各UNIT内は3つのPartに別れていて、Part1がそのトピックの単語(Vocabulary)、Part2が様々なリスニングの問題形式に対応するための単発の問題集、そしてPart3がそのUnitで学んだ方法を使った復習テストという構成になっています。
Part1のVocabularyではほとんどリスニングの練習というようなものはなく、英単語を英語のまま理解する練習になっています。
写真も豊富なので、変に日本製のIELTS単語帳を使うよりよっぽど英語脳養成という意味で実用的です。
ただし、本当に単語を学習するためのパートなので、「単語学習は他の参考書でするよ」という方や「単語力はもう十分だよ」という方は飛ばして構わないと思います。
次にPart2ですが、ここはリスニング問題とそうでない問題が混在しています。
基本的にはまず、音声なしで、様々な問題形式に対してどのようにアプローチするのがいいかの練習問題を解くようになっています。
具体的には例えば、「表を埋める形式の問題の時は各表の題名のところに着目してどの情報を重点的に聴けばいいか整理しておく」というような感じです。
その練習問題の次に、実際にその技術を使うリスニング問題が配置されているという構成ですね。
この技術的な問題(つまり音声のない問題)に関しても、読んで理解するだけで飛ばしてしまても構わないと思います。
もちろん実際に解いて取り組んでもいいのですが、リスニング力を上げるという目的からは少し外れると考えられるので。
「テストテクニックを完璧に身につける」というのを目的にこの参考書に取り組むという方だけ、きちんと全問解けばいいでしょう。
こうしてPart2の単発問題でつけた技術を最後にPart3のテスト問題で使ってみるというのが構成と流れです。
この参考書の良いところ
英語を英語のまま理解するVocabulary Part
Listening用の参考書であるにもかかわらず、各Unitの各topicで英語のまま単語学習ができるというのはなかなか日本の参考書にはない特徴なのではないでしょうか。
Listeningの時に聞こえてくる英語をいちいち日本語に直していると全然ついていけないというのは周知の事実だと思います。
だからListening力を上げるには「英語を英語のまま理解している状態」を作ることが必要ですね。
この参考書のVocabularyページはその「英語を英語のまま理解する状態」を作る一助になってくれます。
ただし、英単語を英語のまま理解するための方法や参考書は他にもたくさんありますから、「あくまでもこのListening for IELTSではListeningの練習だけでいいのだ」という方は飛ばしても問題ありません。
あらゆる問題形式が網羅されている
各UnitのPart2では様々な形式のリスニング問題が取り扱われており、さらにそのアプローチ方法までtipsとして紹介されています。
したがって本書を最後まで解き進めれば、リスニング問題の問題形式には習熟することが可能です。
IELTSは英語の”テスト”なので、ある程度は”形式になれる”ということも必要です。
その対策に本書はピッタリ!ということですね。
英語しか目にしないのでどっぷり英語に浸れる
本書は洋書なので当たり前ですが、日本語は一文字も書かれていません。
よって本書に取り組んでいる間は、全く日本語に触れることなく、英語だけで勉強を進めるという時間を送ることができます。
これは結構重要なことでして、日本製のリスニング問題集だと、解答解説が日本語で書かれていたり、スクリプトに和訳がついていたりしますよね。
そこに日本語があると、結局みんなわかりやすい日本語の方に無意識に目が行ってしまい、日本語で理解するようになってしまいます。
これは「英語を英語で理解する状態を作る」というListening対策の肝の大きな妨げになるのです。
その点、本書は英語で書かれていますから、そういった邪魔な日本語が一切なく、英語のままで学習を進めることができるので、リスニング対策としては最適です。
スクリプトの和訳に頼っている時点で、英語力は頭打ちです。
この参考書の良く無いところ
問題の解説がない
本書には問題の解説というものがありません。
日本製の問題集には必ずといっていいほど各問題に対して解説がついていますよね?
そのような形式に慣れている日本人にとっては、解説のない本書は大変不親切で、学習に適していない本のようにも感じてしまいがちです。
しかし、その抵抗感は最初だけですのでご安心を。
実際、リスニング問題に解説なんて対して必要ありません。
聞いた内容のどこかに、ほとんどそのまんま答えがあるわけですから。
またその答えになる該当箇所に関しては、スクリプトのところでアンダーラインが引かれているので、どこが解答の根拠になるかというのは確認できます!
だから全く問題はないんです。
むしろスムーズに学習を進められます。
ただこの「解説がない」というのにどうしても抵抗があるという方には不向きかもしれませんね。
ただリスニングの練習をしたい人にとっては無駄なページが多い
ここまで読んでくださった方には重複する内容にはなりますが、本書にはVocabularyのページや、リスニング問題の問題形式ごとのアプローチ方法を練習するための問題など、リスニングそのものを練習するわけではないページや問題がたくさん収録されています。
したがって、ただ単純に「リスニングの練習をたくさん積みたい」という目的の方には、本書は少し無駄なページの多い参考書と感じられるかもしれません。
実際、筆者自身も全ての問題を解いたわけではなく、リスニング問題のアプローチ練習の問題に関してはほとんどスキップしました(読みはしましたけどね)
よってその辺りは個人の目的に合わせて適宜スキップしたら良いのではないかと思います。
ただリスニング問題も十分な量収録されていますので、リスニング対策だけがしたいという方にもオススメであることは変わりありません!
この参考書のオススメの使い方・進め方
まずはリスニング問題を解く
これは言うまでもないことですが、まずはそれぞれのリスニング問題に取り組みましょう。
IELTSでは問題文は一度しか読まれませんので、そのことも十分に注意した上で、集中して問題に取り組みましょう。
もちろん、Vocabularyやその他の問題にもチャレンジしていただいて構いません!
スクリプトを見る前に何度も聞いて本当に聞き取れないか確認する
先述したように、IELTSでは問題文は一度しか読み上げられません。
ですが、この参考書に取り組んでいる段階ではリスニング力を上げるための学習段階なので、一度聞いただけですぐにスクリプトを見に行くというのはやめましょう!
聞き取れなかった箇所や解けなかった問題に関しては、まずは何度も音源を聞いてチャレンジしましょう!
5回以上聞いても聞き取れないor解答が思いつかないということでしたらスクリプトを確認しに行っても構わないと思います。
とにかく、何度も聞いて本当に自分がその英語を聞いて理解することができないのか、それとも単に聞き逃したなどの技術的な側面が問題なのかをはっきりさせましょう!
他にも、そもそもその単語を知らないのか、単語は知っているのに音として認識できなかったのかなども明らかにすると貴重な反省材料になります。
そういう意味でもまずは何度も聞いて、しっかりチャレンジしてからスクリプトを見るようにするのをオススメします!
スクリプトを見ながら音源とともに音読
前項のようにしっかり何度も聞いてチャレンジした上で、今度はスクリプトを見ましょう。
スクリプトを見ながらなら音が鮮明に聞こえるはずです。
そしてスクリプトを見ながらなら、音源の速さで内容を理解できるのかきちんと確認しましょう。
本書には日本語訳がないのでここがいいですね。
下手に日本語訳に頼らずに済みます!
スクリプトを見ながらでも、音源のスピードでは内容を理解することができない場合は、スクリプトを見ながらのままで構わないので、内容が理解できるようになるまで何度も繰り返し音源を聞きましょう!
音源の速度で内容が理解できるようになったら次のステップに進みます。
なお、知らない単語がある場合は、筆者は聞きながらスクリプトに鉛筆で丸をつけていました。
そして一通り聞いた後で英英辞典を使ってその単語を調べます。
ここでも、「英語を英語のまま理解する状態を作る」という目的を忘れずに、英和辞典ではなく英英辞典を活用することを強くオススメします!
そして単語の意味を理解した上で、何度も聞いて内容を理解していきました。
スクリプトなしで聞き直す
さて、音源の速度で内容を理解することができるようになったら、今度はスクリプトを閉じて、音声だけできちんと聞こえるようになっているのか、また音声だけでも内容を追いかけることができるようになっているのかを確認しましょう。
スクリプトありならできていたことが、意外とスクリプトを無くすだけで難しくなります。
まずは音がきちんと聞こえるようになるまで、ちょこちょこスクリプトも再確認しながら耳を慣らせましょう。
次に音がきちんと聞こえるようになったらまた、内容を考え、想像しながら聞けるようになるまで聞き続けます。
内容まできちんと思い描きながら聞けるようになったらクリアです!
繰り返しの音読 or シャドーイング
ここまで1つの音源をやり込んだらあとはスピーキング力にも繋げたいので、音読もしくはシャドーイング材料として利用しましょう。
語彙力増強にもつながるのでこれも大切なステップです。
音読とかシャドーイングに関しては一般的な方法で構いません(というか筆者もそれしかシエいませんでしたしそれ以外は知りません)
これくらい1つの音源を噛み締めて学習するのが結果として最も効率よく能力を上げられると思いますよ!
まとめ
本記事に挙げたように、この「Collins English for Ielts - Ielts Listening」はIELTSリスニング対策としては最適の1冊です。
見た目は薄いのですが、本記事に紹介したように1題を最大限に学び切るように進めるとなかなか重みのある教材になりますのでIELTSのリスニング対策本で悩んでいる方はぜひ本書を手にとって見えください。
なお、冒頭にも書いたのですが、筆者は書店で購入したがあまり、旧版&割高というダブルパンチをくらってしまいましたので、ぜひamazon等で上手に入手していただければと思います(旧版でも本屋さんで中身チェックをして、良さそうならamazonで買うという感じでもいいと思います!)
ぜひみなさんは筆者と同じミスをしないようにお気をつけください...。
要点整理
・トピック毎に12のUNITに別れている
・Vocabularyを学ぶページがあるのが特徴
・あらゆるリスニング問題の問題形式が網羅されている
・それぞれの問題形式毎のアプローチ方法も解説されている
・和訳や解説はないが何の問題もない(むしろ利点とも考えられる)
・1つの音源を最大限に利用するように勉強するのがポイント
・スピーキングに繋げるために音読やシャドーイング教材としても利用可能
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